「体力・健康」にも複利は働く
若い頃は、多少の暴飲暴食や徹夜ぐらい、なんとかなってしまう。朝になればケロッとして働けたり、多少の不摂生をしてもリセットできたように感じるものです。
私も、20代30代のころ覚えがあります。睡眠時間でさえ、徹夜でも、2時間3時間でも次の日は元気に働いていました。たとえ、本調子でなくても、なんとかなってしまいます。
しかし年齢を重ねるほど、この「なんとかなってしまう」は大きな勘違いだったと気づきます。じつは体は、毎日の行動をちゃんと記憶しているのではないかと思います。そしてその記憶は、ある日「複利」になって返ってくる。
複利というと、お金が雪だるま式に増えるイメージが強いですが、健康においてもまったく同じことがいえると思います。
良い積み重ねも、悪い積み重ねも、指数関数的に膨らんでいきます。20代30代では、「無傷のように見える傷」も、40代50代60代と進むにつれ「目に見える形」で現れてきます。体力の低下、回復の遅さ、疲労感、集中力、免疫力…。どれも一気に悪くなるのではなく、毎日のわずかなマイナスの行動が積もり積もって表面化していくのです。
逆に言えば、健康においても「良い複利」が働きます。
例えば週に一度の運動。たった30分の散歩。暴飲暴食を一度ぐっと我慢すること。これだけで、1年後、5年後、10年後にはとんでもない差になります。「たったこれだけ?」と思うくらい小さな行動で十分なのです。鍵は「続けること」です。続けることでしか複利は働きません。
ビジネスでも同じことが言えます。小さな改善、小さな顧客満足、小さな約束の積み重ねが、時間の経過とともに大きな成果へと変わっていきます。健康もこれとまったく同じで、小さな習慣の積み重ねが「大きな未来の差」を生みだします。だからこそ、年齢を重ねるほど「体力」という資本への投資の価値が高まるのです。
健康を失えば、やりたいことのほとんどは制限されてしまいます。人生の選択肢も大幅に狭まります。「体力は人生の通行手形」と言えます。まさにこの複利の法則が働いているといえるでしょう。
今の自分を形作っているのは、ここまでの積み重ね。
そして未来の自分を決めるのは、これからの積み重ねです。
今日の10分の散歩が、明日の自分を少しだけ軽くします。
今日の一杯を控えることが、未来の大病をひとつ遠ざけるかもしれません。
小さな一歩は、小さな一歩では終わりません。
続けることで大きな力になり、人生を支える「健康の複利」に変わります。
未来のために、今日の自分に少しだけ優しくしてみる。
それだけで、人生の複利は静かに動き出していきます。
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