① 本は「地図」ではなく「サンプルN=1の記録」にすぎない
まず知っておくべきは、多くの本に書かれているのはサンプル数がきわめて少ない経験則だということです。著者自身の体験、つまりN=1のケースが大半です。
「私は毎朝4時に起きて成功した」
「営業では100回訪問すれば必ず契約できる」
「出会いを大切にすれば人生は拓ける」
これらは著者にとっての真実かもしれません。けれども、それが万人に当てはまるかどうかは別問題です。統計でいえば、サンプルが1件の観察にすぎません。
中には、10000人の成功者に会ってきた著者がみつけた共通点みたいのもありますが、明確なデータとしては表記されていないことが多いです。
成功した人はなぜ・・・・するのか?みたいな本も、相関している場合もありますが、そのほとんどが疑似相関であり、因果関係が怪しかったりします。あとは、都合の良い成功者を集めて、みんな朝5:00前には起きていた!などということもあります。これはサンプル集めに問題があったりします。
もしそれがランダムに集めた100人、1000人の中の成功者だけに共通していることがあれば「法則」と呼べますが、ほとんどの本は「著者自身か、せいぜい周囲の数名の事例」に基づいています。「再現性」を保証するものではなく、むしろ「著者の経験談」に近いものになります。
その本を読んだ方が「本をそのまま実行したのにうまくいかなかった」と感じるのは当然です。なぜなら、それは「地図」ではなく「ある人の航海日誌」にすぎないからです。
ここで重要なのは「この本はサンプル数がいくつの事例から導かれているのか?」という視点です。一人の経験則なのか、十人の統計なのか、それとも数万人規模の研究なのか。それを見極めるだけで「盲信するか、参考にとどめるか」の判断ができるようになります。
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